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感情との正しい関係

 

感情は単にあなたの中で湧き上がるエネルギーです。感情はあなたにメッセージを伝えてくれます。

 

感情はそれが何であろうとも、この瞬間に起きていることに対する適切な対応を示してくれます。感情はまさにこの瞬間にあなたにとって何が必要で、あなたが何を求めているかを示してくれます。人々は怒り、辛さ、悲しみ、痛み、満たされない要望や恐れなど、辛い気持ちを何としてでも抑圧しようとします。これは幼い子供の頃に始まり、感情が解放されるまで生涯続きます。

 

わたしたちの体の中には感じることが難しい感情の溜め池があります。この瞬間に感情が浮かんで即座に適当な対応を示唆しても、過去からの抑圧された感情が一気に押し寄せて来るために、わたしたちは当惑してしまうのです。こうして過去からの感情が今に投影され、この瞬間に実際に起きていることへの対応を阻んでしまいます。わたしたちは過去に基づいて反応し、自分の人生と人間関係に不調和とわだかまりを招いていくのです。

 

この瞬間に真に対応するには、抑圧されている感情を解放する過程を経る必要があります。抑圧された感情を表面化し、それが責任のある方法で意識的に表現されるようにすることで、わたしたちは溜まっている感情を解放しなければなりません。

 

このようにして感情と正しい関係を持つようになるためには、ある程度のプレゼンスがあなたの中で目覚めている必要があります。この瞬間に存在しているものと共に在ることを1日に何度も何度も優しく思い出します。もしあなたがそれを見る、感じる、聞く、味わう、触れることができるなら、それと共にこの瞬間にいることができます。マインドにいると気がついたら、その瞬間にここに存在しているものと共に在るようにします。そのための努力や頑張りは不要です。するとプレゼンスが体の中に溜められた抑圧された感情を露わにし、それらの感情が表面化し表現されていくという穏やかな過程が始まります。

 

感情は過去のストーリーと共に浮上します。そのストーリーを真に受けないことが大切です。しかし同時にストーリーを浮ばせる必要があります。これは二つの役割を同時に演じているようなものです。一方であなたは甘え、悲しみ、傷つき、怒り、それをそのまま全部表現します。他方であなたは気持ちが浮かび上がってくる最中に完全にそれと共に在り、プレゼンスとして気持ちをあるがままに受け止めます。

 

あなたは感情が自分の中から湧き上がってくるのを完全に傍観すると共に、それは今の瞬間と全く関係がないと解っています。それは単に過去が完結するために浮かんできたのだと解っています。排除したり矯正するものは何もありません。子供の時に「辛い気持ちを圧し殺そう」と決心したことをただ訂正しているだけです。それらの気持ちは当時のあなたにとってはあまりに辛すぎました。そして今、あなたはそれらの気持ちに存在する権利と表現する権利を取り戻しているのです。

 

もし怒りを感じているなら、怒りはあなたに何と言っているのですか? 怒りにはメッセージが在ります:あなたは自分が欲しいものが得られないのか、自分が欲しくないものを得ているのです。何が適当な対応でしょうか? それは自分の要求を言うか、自分が欲しくないことを明確に伝えることです。このようにして対応すれば、怒りは途端に消え去ります。それはほんの数秒間のことです。暫くすると、あなたは怒りが必要ではないことを認識するでしょう。ただ自分の要求を言えばいいのです。

 

痛みや悲しみも同様です。これらの感情は怒りと同じメッセージがあります:あなたは自分が望んでいるものが得られないのか、自分が望んでいないものを得ています。さあ、それに対応してください! 自分の要望を示しましょう。自分が望まないことを伝えましょう。しかし目覚めている大人として責任のある方法で愛と慈しみに満ちた表現を取ってください。強い感情がある場合は一人で部屋に篭り、怒りの瞑想をするのが一番です。くれぐれも自分の感情を転嫁したり、誰にもぶちまけないようにしてください。感情が表面化し、あなたが責任のある形でそれを表現する真っ最中に、あなたはその感情と今この瞬間を完全に共にします。感情が解放されるには、それが今この瞬間の意識(プレゼンス)の愛と容認の中で浮上し、表現されることが必要です。

 

自分の感情を恐れないことです。自分の感情への責任を完全に受け入れるなら、他人を傷つけたり、虐待することはありません。あなたが過去からの抑圧された感情を解放するにつれ、あなたの感情は自由に流れ、意識的な人生へとあなたを瞬時に導いてくれるようになるでしょう。

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